最近FacebookやInstagramの広告でNTT株を連想させ「〇年後に〇倍」といったモノをよく見かけます。この情報を検証してみます。
NTTは近年NTTドコモも完全子会社化、2025年6月にはNTTデータを2兆3700億円で完全子会社化を行っています。1980年代、NTT(日本電信電話株式会社)は株式時価総額で世界第1位でしたが現在は第199位(2025年4月時点)と海外勢から大きく溝を開けられています。収益の4割を海外に持つNTTデータを完全子会社化することで海外展開を大きく前に進めることができます(NTTデータは公共・医療・金融に強みを持つ)。これにより日本の一企業ではなく、世界的ITソリューション企業へ変貌する足掛かりができたことになります。そのため、5月21日にNTT法を改正、社名を日本電信電話からNTTに変更、取締役に外国人を選任することを可能にしました。まさに世界戦略を打ち出しました。
世界戦略の大きな武器となるのが『AOWN(アイオン)』と『tsuzumi』。アイオンは電気ではなく光技術を活用したネットワークシステムです。現在のシステムと比較して電力効率が現在の100倍・データ転送容量125倍・データ遅延200分の1といった技術革新と呼べるシステムです。アイオンは生成AI・量子コンピュータ・自動運転などの分野で期待され、海外で展開するための事業活動を始めています。また、tsuzumiは大規模言語モデルでアイオンとパッケージ展開する予定となっているようです。
NTTが世界的企業に変貌するためには越えなければならない問題もあります。NTTは元々官製企業のため、現在でも縦割り・年功序列的な組織から完全に脱却できていません。そのため組織改革は必須、取引対象も国内におけるBtoCから海外ベースのBtoBに変える必要があります。
結論として、「眠れる獅子が目を覚ます」可能性は高いと思われます。足元の株価も160円前後で株主を増やすことを目的とした株式分割の影響で取り組みやすくなっています。長期投資の対象としての保有は有効と考えます。
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