イラン戦争でホルムズ海峡が封鎖された影響で原油価格が上昇、物価高が進む今日ですが、夏場にかけて新たなリスクが現れようとしています。
今夏、過去10年で最も強いとされる気象異変が世界規模で起きる可能性があるとの報告がされています。
それが表題にある『スーパーエルニーニョ』です。エルニーニョ(現象)は、中南米ペルー沖の太平洋海水温が通常より2~3度上昇、異常気象の原因とされる自然現象です。エルニーニョが発生した場合、日本では「猛暑厳冬」(米国は「冷夏暖冬」)になるとされています。
このエルニーニョが6月以降に発生、しかも、海水温がより高くなる「スーパーエルニーニョ」になる可能性が25%と警告しています。加えて、この影響で地球全体の気温を押し上げ、地球温暖化が進むとも見られています。
下図は毎月気象庁が発表するエルニーニョ/ラニーニャ現象の現状データをワンステップフォワードでまとめたもの(個人的見解)。
上図の赤線はエルニーニョ監視海域(ペルー沖)の基準値との差の5か月移動平均値、青線は南方振動指数(タヒチとダーウィンの地上気圧の差を指数化したもので貿易風の強さを表す指数の1つ)の5か月移動平均値。赤い線が上方に向かい、青い線が下方に向かい共に0から大きく乖離し始めた時時点でエルニーニョ発生(桃色の帯)とされます(両線が逆に乖離した場合、ラニーニャ発生:水色の帯)。最新のデータ(5月12日発表のデータ)を加えると、赤線が上方に向かい始め、青線が下方に向かい始めました。この状態が継続するようであれば、エルニーニョが発生したことを裏付ける内容になると考えられます。
スーパーエルニーニョが発生するとすれば2015年以来10年ぶりとなります。当時は北太平洋中部では記録的なハリケーンが続きました。エチオピアでは干ばつ、プエルトリコでは深刻な水不足が起きました。ウィキペディアでは世界の平均気温が過去最高を記録した年と記載があります。
エルニーニョは日本では猛暑になるとされています。猛暑となれば、野菜や稲が不作となる可能性があります。今年はイラン戦争によるホルムズ海峡の実質閉鎖により農薬の輸入に弊害が起きています。足元の物価高に加え、野菜等の品薄が起きる可能性があります。日本の食料自給率は38%(カロリーベース)ですが、燃料費の高騰や農薬等の肥料の高騰が重なった場合の食料自給率は10%台まで落ち込む可能性もあります。食料自給率の低さは日本のウィークポイントと言えます。
為替の動向にも目が離せません。政府はゴールデンウイーク中に為替介入を行ったようですが、足元では1ドル=158円台後半まで値を戻しています。また、長期金利も29年ぶりの高値まで上昇しています。下図は円の実質実効為替レートです。円はトルコリラと並び「最弱通貨」というレッテルを張られていますが、実質実効レートは為替レートだけでなく、輸出入や物価を反映していますので日本の弱さそのものを表しています。円安が進めば、コストプッシュも物価高に寄与します。