資産運用・資産形成、保険、相続など「お金」に関する相談はワンステップフォワードへ!
香川県高松市太田下町2343番地5
  1. ブログ
  2. 「レバナス」
 

「レバナス」

個人顧問のお客様から、「米市場も大きく下がったから、そろそろ買っても良いのでは…。特にハイテク株が下落したのでNASDAQ市場のインデックスファンド、レバレッジの効いた銘柄はどう?」と質問を受けました。
「レバナス」とは米国株投信で、NASDAQ(ナスダック)100株価指数に連動、しかも株価指数の値動きに対して2倍の値動きとなるように設計された商品です。
具体例としては、米ナスダック100株価指数(以下、「原指数」とします)が1%上昇するとレバナスの基準価格は2%上昇します。原指数が2%下落するとレバナスの基準価格は4%下落します。儲かるのも早いですが、下落時は損するのも早いことになります。
大和アセットマネジメントの「iFreeレバレッジNASDAQ100」や楽天投信投資顧問の「楽天レバレッジNASDAQ-100」がこれに当たります。
上は「iFreeレバレッジNASDAQ100」の設定来〜先週末までの基準価格推移になります。
設定時に購入した場合、一時は4倍以上になっていますが、昨年末に購入した人は基準価格が1万円以上下落しています。
現状でも評価はマイナスとなっているでしょう、中には損切りした人もいるかも知れません。
NASDAQ株価指数は昨年末に比べると一時的に14.6%下落しました。これを単純にレバナスに当てはめると基準価格が29.2%下落した計算になります。

レバナスは昨年までの好調な株価上昇を背景に大量の資金が集まりました。SNS上で話題となったこともあり、投資を始めたばかりの初心者が購入するケースも増えていました。
しかし、今年に入って米利上げ観測からナスダック100株価指数に含まれる多くのハイテク関連株は軟調な展開となり、レバナスも厳しい展開となっています。
「購入して現在はマイナスとなっているレバナスも株価が戻れば利益になるから、そのままにしておく」という声が聞かれます。確かにそうです。

しかし、下図を見てください。
青線は架空の株価指数、橙線はその架空の株価指数のレバレッジ2倍とした商品の価格推移になります。
見てわかるように、レバレッジのかかった方が回復は遅れる傾向にあります。
(ちなみに、株価指数が2000円まで下落した時点でレバレッジ2倍商品の価格は382円となっています。レバレッジが4.3倍であれば価格はたった7円。
株価指数が2000円から2%上昇して2040円になってもレバレッジ2倍商品の価格15円上昇しては397円にしかなりません。)

これからわかるように、下落時は大きくマイナスとなり戻りも遅いため価格や環境だけで売り買いを判断できる商品ではないことになります。
また、長期保有の場合、コスト(特に信託報酬)がかさむ可能性もあります。同じ株価指数に連動する商品でも、レバレッジをかけない場合は購入時手数料がゼロで信託報酬も0.5%など低い場合が多い。レバレッジ型は購入時手数料がゼロだったとしても信託報酬が約1%ほどかかる場合があります。

今回は「レバナス」を取り上げましたが、同商品がNGと言っているのではありません。
運用商品はその商品のもつリスクとメリットを理解して取り組む必要があるということです。